美布音
この店って一体なんだろう??
最寄駅近くにある、とある店の前を通るたびに気になっていた。
スナックのような、、そうでもないような、、でも居酒屋っぽいくないし
そもそも、店の前に大きく張られた ジンギスカンの写真はなんなのか。。
いったいこの店にはどんな人がやって来ているのか。。

そう思い続けて、、かれこれ10年以上

そして昨年暮れ

近所のお父さんたちと最近結成したK山会にて
僕は、、とうとう提案したのだった。。

あの、、あやしい店でジンギスカンを食べよう!!


すると、皆、一様に気になっていたことを口々に告白し
K山会 ジンギスカン食べるワーキンググループが発足したのだった。

幾度の日程調整の結果、昨日ついに

”あの店でジンギスカンを食べる”

が決行されたのだった。

K山会ジンギスカン食べるワーキンググループは夜7時半に最寄のF駅に集合し、一路、例のポイントを目指した。途中、隊長のKが 

じつは最近ポイントをチェックしているのだが、どうも営業している様子ではない

との爆弾発言を行い、K山会 ジンギスカン食べるワーキンググループはこのままでは遭難してしまう可能性を懸念したのだが、それなら第二候補として インドのとなり という摩訶不思議な名前のレストランが近くにあるから、非常時にはそちらへ目的の変更を行うことで歩を進めることになった。

やがて先頭をあるく隊員Nが店ポイントの明かりを確認し、”やってます”とK山会ジンギスカン食べるワーキンググループの隊員たちに告げると、隊員全員(4名だが)みな安堵のため息をもらしながらも緊張を高めたのだった。そして店の前に到着すると、隊員全員が今回の発起人である僕を見つめたため、僕は勇気を振り絞りながらまるで民家のようなドアを開けたのだった。

すると、、私の目に飛び込んできたのは

カウンターに座る二人の浅黒い初老男性の厳しい視線だった。

これは、、、常連特有の排他的視線、、この男たちは毎晩ここで食事をしているに違いない、その証拠に天井にすえつけられたテレビ(アナログ放送中)と二人が醸し出す雰囲気はまるでそこが男たちの居間であるかのような印象を与えたのだと0.02秒で判断し、それでもカウンターの奥にキョウヅカマサコのようなママを発見しつつ、あらこんなサラリーマン4人が来るなんて10年ぶりだわ 的な視線を鋭く感じた私は、4人大丈夫ですか?と言いながら2歩店の中に踏み込んだのだった。

長めのカウンター、そしてその向かいには真ん中に蓋のされたグリル付テーブル2台が並べられ、4人がけのそのテーブルにはなぜか3膳づつの箸がセットされており、一瞬予約席なのかと考えたのだが、座ろうとする我々を妨げようとする声もなかったために、K山会ジンギスカン食べるワーキンググループの隊員たちは、おお!やはりジンギスカンのためのグリルテーブルだ とつぶやきながら席に付き、壁に貼ってあるいくつもの色紙を各々がチェックし始めたのだった。
薄々と気づいていたが、色紙を見るとどうやらこの店の名前は美布音と言うらしく、たぶん”みふね”と読むのだろうが、ジンギスカンから来るあきらかに北海道風なイメージなために、隊員たちの間ではなにか他の読み方があるのではないかということになった。しかし、読み方を尋ねる前にサッポロ生ビールを注文してしまったために、その読み方は依然謎のままである。申し訳ない。

一見客への敷居を高めるためか、メニューはなく、小さな黒板に書いてあるおすすめから選ぶのが美布音式ということらしい。それに驚くべきことに、あれほど大きくジンギスカンの写真を店の前に貼ってあるのに、店内にはジンギスカンの一言も書いていないのであった。我々は不審に思いつつも、唯一無二の目的であるジンギスカンを頼むと、カウンターのキョウヅカママは問答無用に人数分のジンギスカンね というので、いやいや、ここは他のものも頼むから3人分にして欲しいと頼むと、一瞬北海道のような寒冷風が両者の間に吹いたものの、次々に食べ物を頼む欠食児童のような隊員たちにママの表情も自然と穏やかになっていったのだった。

 生ビールを注文すると店の奥から普段着の初老の男性が現れ、マイスターのように生ビールを注ぎ始めた。どうやら、この男性がマスターらしい。格好は普段着だが、店内で甲斐甲斐しく働くその姿は、長年のママとの関係を感じさせるものであった。絶妙な泡度合いのビールを我々のテーブルに運んだ後、自分も生ビールサーバーからマイコップにビールを注ぎ、、、
しばらくすると隊員たちの前に驚くべきものを運んで来たのだった。。


それは、、




なんと、彼は生ビールを飲みながら小鯵の南蛮漬けをつまむ隊員たちのまえに銀色に光る箱を差し出したのだ。それはどう見てもカセットコンロであり、ジンギスカン専門店?らしく設置されたこのグリルテーブルを囲む我々の眼を釘付けにしたのだった。そしてマスターは驚愕の事実を告げた。

これね、ガス繋がっていないから。。

なんと、グリルテーブルは見掛け倒しだったのだ。隊員たちはすばやくテーブル下を確認すると確かにホースはなく、4本の足のみが存在する。これは一体どういうことなのか、

しかし、生ビールも2杯目に突入していた我々はコンロのことは取るに足らない些細なことになっていた、、頭にあるのは既にジンギスカンしかなかったのである。恐るべし、、マスターの手腕である。そしてついにマスターと共に登場した、いやジンギスカンは一人では登場できないのだが、ジンギスカンにK山会ジンギスカン食べるワーキンググループ隊員は目を奪われたのだった。

えーーめちゃくちゃおいしそう!

そうなのである、実は美布音はジンギスカンの隠れた名店だったのだ。。

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写真では、この驚きは伝わらない。。K山会ジンギスカン食べるワーキンググループ隊員は思っても見なかった発見に小躍りした。

何度も、マスターに もう食べていいですか? と確認し、その許可がでると
先を争って箸をのばしたのだった。

うまい!

うまい!

うまい!

隊員たちは口々に叫んだ!

ジンギスカンはまったく臭みがなく、というよりも甘さがあっておいしいのだった。

私は、、マザー牧場で食べたジンギスカンの50倍はおいしいな!と思いつつ、
きっとこの肉は本場から取り寄せに違いないと、マスターに

この肉、おいしいですね?どこで買っているんですか?

と聞くと、

北海道から毎日空輸しているんだよ、、、、でなく、

あ、市場だよ

と未も蓋もない返事が返ってきたのだった。


まあ、何はともあれおいしいジンギスカンを食べ、K山会ジンギスカン食べるワーキンググループ隊員はその目標を達成することが出来たのであった。

ミッション成功!乾杯!



追記:表の看板に北海道直送って書いてあるのを今更確認!04.24.2010



さらに気を良くした隊員たちは、この

気になっていた店が想像以上体験

をもっと経験すべきではないかとの結論に達し、美布音の3軒先にある 歌声PUBレモン に行ってはどうかとの提案が上がったのだった。僕は調査が必要と判断し、キョウヅカママに

お母さん、そこのレモンってどうなんですか?

と尋ねると、

あそこは、、高い。 前に二人で行ったら1万だった。

と有力な現地情報を入手できたために、レモンへの登頂は中止しさらに奥深いところに存在する パブレストラン穂志野 を目指すことになったのだった。



3月末と言うのに肌寒い夜空を歩く4名、

もうこの時点ではすでにK山会ジンギスカン食べるワーキンググループでなく ただのK山会の会員たちなのだが、ある意味 穂志野探検隊と名乗ってもよかったのかもしれない、、、

という間に 到着。

いつの間にか、ボスと呼ばれるようになった私は、、
恐る恐るパブレストラン穂志野の扉を開いた。



そこには、15名ほどの シニアな男女が カラオケで盛り上がる姿が、、
それは、盛り上がる農協、もといJA 団体のような様相を呈しており


どうやら我々の手におえる代物ではなかった。
団体の一人が私に向かって、あたかも待っていたかのように手を振り ”よおっ" といった感じで僕を宴会に引き込もうとしてが、カウンターの中ではママと思われる女性が、場違いな客をぼーっと眺めていたために、咄嗟にこの店はまだ早いと判断したボスつまり僕の頭脳がそのまま扉を閉めさせたのだった。


寒空の中、穂志野探検隊は 探検を行うこともなくその場で解散となり、しばらくした後


いつもの店でも行く?


と、通常のK山会に回帰したのであった。



おしまい。
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by lasvegasmasa22 | 2010-03-27 15:50 | 飲み
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