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23回忌 その2 CHANEL の似合う彼女
夕方は伯父の誘いがあり、食事に出た。
伯父、伯母、そして伯父の妹、、ということはやっぱり伯母?

伯父の家の近くにある 閑静な住宅街にひっそりと建つ串焼きの店

カウンターに4人で並び、伯父と話をした。
昭和3年生まれの伯父は僕の憧れの人で
子供の頃から彼の物腰や佇まいをお手本にしてきた
一通り、僕の近況を話た後

伯父は彼の青春時代を語り始めた

カウンターの向こうに立つ板さんは伯父の憧れた芸妓さんの息子さんとのことで
その芸妓さんの美しさの話がスタートだったのかもしれない。

古きよき時代には僕らの街にも置屋があって
呉服屋の若旦那だった伯父は 随分と楽しい思いをしたようだった。

戦争が始まり、戦場へ行かさないために伯父の父が彼に薬学の道を勧めたこと
大学時代にその父のお陰で 裕福な生活が送れたこと
企業に勤めようと考えると 家に呼び戻されたこと
商店街の初代ロータリークラブの会長になったこと
鉄工場を始めて 儲かったこと、 でも
労働組合が載りこんできて 会社が倒産したこと

伯父の何十年という歴史が 僕の前に現れ

こんなこと、、あまり話しをしたことが無い

という伯父は、とても楽しそうに 長い年月を語るのだった。
でも、本当に、本当に 感銘を受けたのは
83歳の伯父が

まだ今から何か大きなことをしなくてはならない!!

と言った事。
これは、、凄い。本当に凄い。
それに比べたら僕は、、

あと、3つくらいは何か凄いことができそうだ!

そんな気持ちにしてくれた。





ビールをのみ 僕に付き合ってワインを飲み
やはり 熱燗だと 二人で日本酒を飲み
時間はあっという間に過ぎていった。


お店からの帰り道
伯母は楽しそうな伯父に寄り添い
歩いていく


僕は、伯父の妹、、伯母さんと並んで歩く

伯母さんは 伯父さんの一つ下ということは 82だね?

という僕に

いやね、私はまだ81よ。。

と言って僕の腕に手を廻したのだった。
僕は前を歩く伯父夫妻を見ながら


じゃあ、手をつなぎましょう!

と、伯母の手を握った。

すると、、あまりのやわらかさに ドキリとした


僕は照れ隠しもあって

伯母さんはとてもそのCHANELの時計が似合うね。


と言うと伯母は嬉しそうに
その時計について説明してくれたのだった。


CHANELの似合う女性は、、、素晴らしいな。
そう思った夜だった。



家に帰ると 従弟から飲みに行こうとの電話が、、

もちろん、断ることなく
彼のホームグラウンドへ

カウンターの中には 平成生まれの女の子がいて

お久しぶりー!

と僕を迎えてくれたのだった。

81歳の女性と話た後に
平成生まれの女の子と話をした

なんだか不思議な気分になった。
by lasvegasmasa22 | 2010-06-16 00:13 | 生活
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